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人形




父と登山したときの話。

多分、GWだったと思う。初めて行く山だった。
朝早く出発して、昼頃にはテントを張って自分は1人で近くを探索して遊んでいた。
父は食事を作っていたと思う。

平たい岩の上に座って、途中で拾った木の枝で遊んでいた。
ふと思い立ち、父に借りたアーミーナイフ(?)で何か作ろうと思った。
持っていた木を削って、人の形を作ってみた。
なかなか上手に出来たので(とは言っても小学生が作るものなので大した事は無いと思う)父に見せるつもりでウエストポーチに仕舞った。

岩から離れ歩き出し、丸太橋のある場所まで戻った。
丸太橋が掛かっている所からはテントが見えていて、父の姿もあった。
ふと川の水を飲もうと思い、岩を降りて川の傍へしゃがみ込んだ。
すると後ろから人の気配がしたので、振り返った。

もの凄い近い位置に男の人が居て、自分の顔をじっと見た様な気がする。
でも男の顔はあまり覚えていない。フードを被っていて影になっていた様な気もするし、目や鼻が無かった様な気もする。
今では良く覚えていないのだけど。

驚いたのと、何かの衝撃が背中に起こり、前のめりに川に落ちた。
川は浅く、流れも緩やかだったので、怪我は無かった。
振り返ると、男の人の他にも何人か人が立っていた。
多分、5~6人居たと思う。みんな登山者の様だった。

山で大人の人に危害を加える様な事をされた事は無かったので(ちょっとした意地悪な事やおどかし系はされた事があったが)ショックだったし、とても怖かった。

その人達は何かする訳でもなく、自分を見下ろしていた。
ものすごく怖くて、逃げようと思った。
その時、ウエストポーチが何かに引っかかりビリっと音がした。
中身が落ちた気がしたが、急いで逃げた。

父の元へ戻りさっきの事を話すと、父は飛び出して行った。
でも戻って来た父は、そんな登山者は居なかったよ、と言った。
馬鹿な奴らがいるもんだ、とかそんな事を言いながら父は怒っていた。でも自分には優しくしてくれた。

父は河原に落ちていたナイフやティッシュを持って帰っていた。
が、そこに自分の作った人形は無かった。
父に聞いてみると、もう一度探しに行ってくれたが流されてしまったのか見つからなかった。

子供だったので、すぐにその事は忘れたらしく、その後は楽しく遊んだ記憶しか無いがあの登山者達は一体なんだったんだろうなあ、と思う事がある。


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2018-11-16 21:30 : こわい話 : コメント : 0 :
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