サカブ

241 本当にあった怖い名無し 2012/08/11(土) 17:12:51.73 ID:RwempkDc0
秋田のマタギたちの間に伝わる話に「サカブ」というのがある。
サカブとは要するに“叫ぶ”の方言であるが、マタギたちがいう「サカブ」とは
山の神の呼び声を指すという

山の神は時たま、その神力を持ってマタギたちに「サカブ」ことがあるという
秋田県は北秋田市に住む山田岩蔵という老マタギの表現によると、山の神の声は
「細く堅い声で、遠い遠い処で響く鉦の音に」似るという。岩蔵マタギは人生で二回、
この山の神の声を聞いたそうで、頭を強打して気が遠くなった時のような、耳鳴りのような、
どちらかといえば振動、あるいはテレパシーのようなものであったそうである

山の神の「サカブ」はだいたい吉祥であり、しかも集団で狩りをしていても全員には聞こえず、
その狩猟組の頭領(スカリ)か、もしくは一、二を争って腕の立つ者にしか聞こえない
東方より聞こえる「サカブ」が最も良く、その方向に進むと必ず獲物を授かったという

あるとき、大平山奥地のイグス森という場所で、あるマタギがこの「サカブ」を聞いたという
それから「サカブ」の示した方角に二里余り進むと、果たしてそこには今までに見たことがないような巨熊が居り、
捕らえてみると七尺五寸を超える、ツキノワグマとしては規格外の大物であったという

また不思議なことに、この「サカブ」はマタギだけでなく、留守を待つ村の者たちにも時折聞こえる
そんなときは必ず猟の成果があった時であるので、そんなときはいち早くマタギ衆を迎える準備をするという



山峡の人々に聞こえる不思議な神の声の話


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2017-04-03 17:16 : こわい話 : コメント : 0 :
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